「家を売ったら税金で半分取られる」は勘違い? 自宅売却の税率は基本の3つだけ

「家を売ったら、売れたお金が給料と合算されて、ものすごい税金を取られるんでしょう?」というご相談をよくいただきます。実はこれ、大きな勘違いです。
よくあるご相談から
「自宅を売ったら税金で半分くらい持っていかれると聞いて、ずっと迷っていた」とお話しされていました。そこで、売却益は給料とは別計算になることや、自宅なら3,000万円特別控除という制度があることなど、一般的な仕組みをご説明しました。
具体的な税額については、税理士をご紹介して確認していただき、安心してご売却を決断されました。「知らなかった・・・完全に勘違いしていた。もっと早く知っておれば・・」と嘆いていました。
思い込みで判断を先延ばしにしてしまうのは、本当にもったいないことです(なんでも詳しい人に相談しましょう)。
家を売った利益は「給料とは別計算」
家を売って出た利益(譲渡所得)は、給料などとは合算せず、別に計算します。これを「分離課税」といいます。給料と合算する総合課税のように最大約55%になることはなく、決まった税率で計算されます。
税率は基本の3つだけ
| 区分 | 税率(所得税・住民税等の合計) |
|---|---|
| 所有期間5年以下 | 39.63%(約39%) |
| 所有期間5年超 | 20.315%(約20%) |
| 自宅で所有期間10年超の特例 | 14.21%(約14%) ※6,000万円以下の部分 |
約14%は自宅だけの特例で、6,000万円を超える部分は原則20.315%です。
要注意!所有期間は「売った年の1月1日」で数えます
たとえば2021年4月に買った家を2026年8月に売っても、2026年1月1日時点では5年以下なので、約39%の税率になります。10年の判定も同じです。
売却をお考えの方は、まず購入日を確認しましょう。
自宅なら「3,000万円特別控除」も使える
自宅を売ったときは、一定の条件を満たせば利益から最大3,000万円を差し引けます。約14%の特例と一緒に使うこともできます。
具体例
※仕組みを理解するための簡易計算です。
Aさん
20年前に3,000万円で買った自宅を4,500万円で売却。利益1,500万円は控除でゼロになり、税金はかかりません。
Bさん
3年前に買った自宅を転勤で売却。利益500万円ですが、控除が使えれば税金はゼロです。
Cさん
30年前に買った自宅で、費用を引いた利益が9,000万円。控除後の6,000万円に14.21%をかけて、税金は約853万円です。
【超注意】税金がかからなくても、安心するのはまだ早いです!
「思っていたほど税金はかからないんだ」と安心された方、本当に大事なのはここからです。
家を売った翌年は、国民健康保険料や介護保険料が大きく上がることがあります。保険料は前年の所得で決まるため、控除後に残った売却益も含まれるからです。2026年度の国保の上限は年間最大113万円です。
売れたお金はすぐに使い切らず、翌年の保険料の分を残しておくことと、売る前に市区町村で試算してもらうことをおすすめします。
※会社員の方の健康保険料はお給料で決まるため、通常は上がりません。
そのほかの注意点
- 税金がゼロでも確定申告が必要です。申告しないと特例は使えません。
- 新居で住宅ローン控除を受ける場合、売却の特例を使うと使えなくなることがあります。
- 投資用の物件には、通常、自宅向けの特例は使えません。
- 買ったときの契約書は必ず保管を。購入金額がわからないと、たとえば2,000万円で売れても取得費は100万円扱いになります。あるのとないのとでは大違いです!
まとめ
自宅を売った利益は給料とは別計算で、税率は39%・20%・14%の3つが基本です。自宅なら3,000万円控除で税金がかからないケースもあります。ただし、翌年の保険料への影響もお忘れなく。
YouTubeでも発信中です
当社では、宅地建物取引士・FPが売却や住み替えのご相談を無料でお受けしています。「うちの場合はどうなるの?」という段階でも、お気軽にご相談ください。
※個別の税額や特例の適用は、税理士または税務署にご確認ください。

