実家を相続したけど空き家のまま…「とりあえず放置」が招く5つの困りごと
当社が日々お受けしているご相談の中から、相続した実家の空き家についてご紹介させていただきます。
「親の家を相続したけど、遠いし忙しいし、とりあえずそのままにしてる」
「思い出が詰まってて、なかなか手をつけられなくて…」
こうしたお声、本当によくお聞きします。お気持ちはよく分かります。仏間の掛け軸ひとつ見ても、手が止まってしまいますよね。
ただ、家というのは不思議なもので、人が住まなくなると驚くほど早く傷んでいきます。「とりあえず」のつもりが、気づけば5年、10年…。そうなる前に、知っておいていただきたいことをまとめました。
1家がどんどん傷む
換気をしない家は湿気がこもり、カビ、雨漏り、シロアリと、困りごとが次々にやってきます。庭木は伸び放題、郵便受けはチラシでいっぱい。ご近所から「最近、人の出入りがないみたいだけど大丈夫?」と心配の電話が来ることもあります。
家は「人が住んでこそ長持ちする」というのは、どうやら本当のようです。
2固定資産税が上がることがある
住宅が建っている土地は、固定資産税が軽くなる特例を受けています。ところが、2023年12月の法改正で、管理が行き届いていない空き家(「管理不全空家」)も、市区町村から勧告を受けるとこの特例が外れることになりました。
特例が外れると、土地の固定資産税が大きく上がることがあります(計算上、最大で約6倍)。
「誰も住んでいないのに税金だけは元気に増える」…これはなかなか切ないものです。
3相続登記をしないと過料の対象に
2024年4月から、相続登記が義務になりました。相続を知った日から3年以内に名義変更をしないと、10万円以下の過料の対象になることがあります。
それ以前に相続した不動産も対象です(2027年3月31日までの登記が必要)。「おじいちゃんの名義のままだった!」というケースも珍しくありませんので、一度確認してみてください。
4税金の優遇を受けられなくなる
相続した実家を売るとき、一定の条件を満たすと、売却益から最大3,000万円を差し引ける特例があります(相続人が3人以上の場合は2,000万円)。
主な条件
- 1981年5月31日以前に建てられた家であること
- 亡くなられた方が一人で住んでいたこと
- 相続から3年を経過する年の12月31日までに売ること
- 売却が2027年12月31日までであること
つまり、「とりあえず放置」している間に、使えるはずの特例の期限が過ぎてしまうことがあるのです。これはもったいない!
5兄弟姉妹で話がまとまらなくなる
時間が経つほど、それぞれの家庭の事情も変わります。「売りたい」「残したい」「管理は誰がするの?」…。さらに相続人が亡くなると、その配偶者やお子さんにまで権利が広がり、話し合いの人数がどんどん増えていきます。
親戚が集まるのはお正月だけで十分、というのが正直なところではないでしょうか。
まずは「どうするか」を決めるだけでも大丈夫
「今すぐ売らなきゃ」ということではありません。売る、貸す、しばらく管理する、解体する。どれを選ぶにしても、まずは今の価値と選択肢を知ることが第一歩です。
方向性が決まるだけで、気持ちがずいぶん軽くなりますよ。
空き家のことは当社にご相談ください
当社では、宅地建物取引士・FPが、売却だけでなく、相続や税金の基本的なことも含めてご相談をお受けしています。「何から始めたらいいか分からない」という段階でも、お気軽にお問い合わせください。
※個別の税額や特例の適用は、税理士または税務署にご確認ください。
