売却前に知っておきたい確定測量の話

今日は、土地をお持ちの方に、ぜひ知っておいていただきたい大切なお話です。
「測量」という言葉は皆さんご存知だと思いますが、実は測量にもいろいろな種類があります。今回は、その中でも最も重要な「確定測量」について、私の実務経験も交えながらお話ししたいと思います。
「確定測量」とは何か
「確定測量」——業界ではよく「カクソク」と呼ばれます。
これは、隣地同士でお互いの境界線をしっかり特定し、後日トラブルにならないように書面で合意し、捺印しておく手続きです。この作業は、国家資格を持った土地家屋調査士が行います。
売買時に起こる「怖い話」
確定測量をしておかなければならない理由はいろいろありますが、今回は売買に絡んだちょっと怖い話をします。
一般的な土地を売却する際、売主負担で確定測量をすることがほとんどです。なぜなら、隣地と合意がない境界のままでは、買主は不安で購入したくないからです。
特に、建物を解体して更地渡しをする場合、売買契約書にこういう特約が付くことがよくあります。
「建物を解体し、確定測量完了後に土地を引き渡す。もし隣地の合意が得られず確定測量が完了しない場合は、本契約を白紙解除とします」
一見、何の問題もない条件に見えますよね。
しかし、ここに落とし穴があります。
売買契約を結ぶと、数ヶ月後の決済に向けて、解体工事や買主の融資審査など、話がどんどん進んでいきます。
解体工事は順調に進みました。ところが、肝心の測量で隣地所有者との合意が得られなかったとしたら、どうなると思いますか?
測量ができないため、契約は白紙に戻ります。しかし、建物はすでに解体されています。解体費用は当然、売主が支払う義務があります。しかも、隣地との境界が確定していない土地は、資産価値が減少してしまいます。
結果、更地にするための費用だけがかかり、売却がスムーズにすすまず、翌年から土地の固定資産税が最大で6倍ほどに上がり、価値も下がった土地だけが残る——こんな悲惨な状況に陥ってしまうのです。
「そんなことが本当にあるの?」と思われるかもしれませんが、これは実際に起こりうるケースです。私自身も、似たようなトラブルを何度も目の当たりにしてきました。
では、どうすればいいのか
答えはシンプル。不動産の売却の意思が固まったら、先に確定測量を済ませておくことです。費用は一般的な住宅地で50万~くらいが相場のようです。
先に確定測量を済ませておけば、買主に「境界が確定済み」という安心感を与えられ、スムーズな取引が可能になります。万が一、隣地との合意が得られない場合も、売却前に分かれば、別の対策を考える時間的余裕があります。
おわりに
土地は、多くの方にとって大切な資産です。その資産を守り、次の世代に円滑に引き継ぐために、確定測量は欠かせない手続きです。
「杭を残して悔いを残すな」という言葉があります。境界杭をしっかり残しておけば、後悔することはない、という意味です。
測量と不動産売買については、その他にも、たくさん注意すべき点がが、今回は割愛します。また別の機会にお伝えできればと思います。
「うちの土地は大丈夫だろうか?」
「隣地と昔から境界が曖昧な気がする」
そんな小さな疑問でも構いません。お気軽にご相談ください。

